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「今日では、時代そのものが霊学上の認識内容をかつてよりもはるかに広く普及させるべき意識段階に達している」 「外界との関係を豊かな内容あるものにしようと思うなら、自分の感情や表象を大切に育てなければならない」

ルドルフ・シュタイナー

ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)

アドルフ・ヒトラーの出現を予知し、彼が最も畏れた存在だったと言われているのが、オーストリアの神秘思想家であるこのシュタイナーです。20代でドイツの文豪ゲーテの研究者として一躍注目を浴び、大学で哲学の博士号を獲得するなど、若い頃は評論家・思想家として活躍していた彼ですが、20世紀に入ると神秘的な思想に傾倒し、神秘思想結社である神智学協会に所属。物質的な世界を超える霊的な研究に没頭し、ヨーロッパ各地で講義を行ない、数多くの人々に影響を与えるようになりました。

シュタイナーによれば、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚という、いわゆる通常の意味での五感では、物事の表層的な面しか把握することができません。事物の本質を捉えることができるのは、その人間が死んだ後、五感を超越する高次の第6番目、第7番目の超感覚である霊的感覚および、器官・チャクラであるとみなしました。しかしその一方でシュタイナーは、そうした超感覚というのはどの人間にも潜在的に備わっており、それは日常的にも、瞑想や思考の訓練を行なうことで引き出せると考えたのです。そうした考えの核となったのが、「アストラル体」という概念。19世紀フランスの魔術師であるエリファス・レヴィのアストラル・ライトという考え方に端を発するこのアストラル体は、簡単に言うと、心霊現象、霊媒、魔術といったサイキックパワーを発揮させるエネルギーのこと。シュタイナーは、アストラル体が1人の人間の魂と肉体の間にあると考え、単なるオカルト的なものであるとはみなしませんでした。それゆえ、自身が語る霊的なこと、事象に関してもすべての人が確認できるのだとして、著作の中でそのための具体的な修行方法を公開したのです。

さて、ここまでお読みいただければ、こうしたシュタイナーの思想が、霊能力を備えた私たち鑑定師の考え方と似ていることがお分かりいただけると思います。電話占いセドナの鑑定師たちが駆使する霊能力、サイキックパワーが決して非現実的なものではないことは、その的中率の高さや豊富な鑑定実績が証明しているからです。上にあげた2つの言葉についても、確かにシュタイナーが生きていた時代よりも現代の方が霊能力やサイキックパワーに関する信憑性が遙かに高まっていますし、人生を豊かにするためには日々の心掛けが重要だというのもその通りでしょう。

しかしその上で、シュタイナー思想とわれわれの考えの間には違いがあることも述べておきましょう。シュタイナーが言ったように、確かに潜在的にはどなたにも超感覚が備わっているという可能性も否定できません。ただ、そうした潜在能力を実際に顕在化できる人間、発揮できる人間は一握りしか存在しないのも事実なのです。また、たとえいくら瞑想や思考の訓練を行なったからといって、潜在的な「超感覚」を「超能力」として発展させ、実際に活かすことができるわけではありません。そうしたことが可能なのは、やはりわれわれ占い師のようなごく一部の人間に限られるのです。サイキックパワー、霊能力、超能力など、呼び方はさまざまですが、そうした特殊能力、特別な資質を与えられた占い師、鑑定師、霊能者たちが人々の人生を豊かにする役割を担う。シュタイナーの時代にはまだ明らかになっていなかったこの事実こそが、まさに多くの人々に普及した「霊学上の認識内容」であると言えるでしょう。

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