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スピリチュアルワード

「愛の本体は精神の火である」

エマニエル・スエーデンボルグ

エマニエル・スエーデンボルグ(1688-1772)

近世以降の霊学史を語る上で欠かすことのできない巨人といえば、まずこのスエーデンボルグの名が上げられるでしょう。スウェーデンのストックホルムに神学教授の息子として生まれたスエーデンボルグは、鉱物学者として国の鉱山局に籍を置きながら、数学、天文学、解剖学、生理学などの他分野に渡って多大な研究成果を上げた当世一級の科学者でした。

そんな天才的知性ともいえる彼が52歳の頃から神の幻視を体験するようになります。目の前に現れたキリストの言葉に従い、突如として科学者から神学者に転向したスエーデンボルグは、以降、83歳でこの世を没するまで、文字通り神のメッセンジャーとして膨大な神学著作や霊界探訪記を書き記し続けました。

その著作は今日に至るまでスピリチュアリズムの古典として、多くの人々に読み継がれています。

その深遠な思想と業績については、この狭い紙面でとても書き尽くせるものではありませんが、格言としてもよく引用される上記の言葉は、現代に生きる人々の心を今なお捕らえてやみません。

とくに霊能者という特殊な立場にある私たち鑑定師の場合、この言葉の哲学的意味はともかく、日々の実感として、人間の持つ愛の精神が火のようなものであると思うことが多々あります。 人生の苦悩にぶつかったとき、それを何とか打破して先へ進もうという人、つまり真っ直ぐに生きる意欲に満ちた人には、強い炎のパワーを感じます。そして、そうした人々の魂を霊視すると、そこには他者に対する愛と優しさがどんなときにも消えることなく存在しているのです。愛情、優しさという感情は、ときに軟弱ものと見なされがちですが、じつは人間にとってこれほど強い武器はないのではないか、と思うほどです。

それは精神を根底で支え、なおかつ新たな活力を魂に注ぎ込みます。愛とは人間存在を動かす、最大にして無尽蔵のエネルギーと言い換えても良いかもしれません。

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